彩の国の素敵な居酒屋、「基」に行ってきた
僕は大宮駅で、居酒屋を探していた。
平日にもかかわらず、多くの人で溢れている。
疲れた顔で改札に向かって行く人、顔を真っ赤にして、同僚と思われる人たちと笑いあっている人。
これから待ち合わせだろうか、豆の木の下で退屈そうにしている人。
いろんな人がいた。
そんな僕は、食事をするために、大宮に来ている。
付き合いの長い女性との食事だ。
気の知れた仲の女性だけど、親しき中にも礼儀あり。
僕は常に、最高のおもてなしを心がけている。
下手な店には連れていけない。
が、しかし。
普段大宮に来ることがない僕は、大宮の食事情について、無知に等しかった。
やばい、どうしよう・・・
約束の時間まで、あと少し。
豆の木に語りかけても、何も助言をくれないまま。
ただただ、時間が過ぎていく。
今日の約束は突然決まったから、何も考えていなかったのだ。
結局、僕はgoogle先生に教えを乞うことにした。
「大宮 居酒屋」で検索。
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色んな店があるものだ。
その中で、1件気になる店があった。
「おでんと魚菜 基」
たくさんある写真を見たところ、店の雰囲気はなかなか良さそうだ。
口コミもたくさんある。
口コミを見てみると・・・
「通いたいお店」
「カウンター」
「エロい薄暗さ」
「コスパ高い」
「刺身がうまい」
「おでんが美味い」
「掘りごたつ」
「エロい」
「いい雰囲気」
「エロい」
「綺麗めな居酒屋」
「エロい」
「エロい」
「えろい」
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ふむ
普段は口コミを重要視しない僕だけど、今回はここに行ってみることにした。
・・・
店が決まった時、ちょうど彼女も駅に到着した。
仕事終わりの彼女。
相変わらずカッコいい。
美しさの中に、カッコ良さがある。
春っぽい柔らかさがあるけど、タイトスカートで・・・
そこから覗く、黒いストッキングで包まれたすらっと伸びた脚。
はっ、いかん!
見とれている場合ではない。
「さっき、脚見てたでしょー」
バレバレである。
「ふふふ。大河と会うから、このストッキング履いて来たんだよー。大河、好きだもんねー」
「むむっ!僕はもっと濃い目の方が好みであるぞ!」
「はいはい。照れ隠し乙。で、どこ連れて行ってくれるの?」
このザマである。
しかし、彼女はいつでも美しい。
なのに、この僕ときたら・・・
自分で自分に喝を入れてやらんな。
・・・
さて、今回行く店「基」は、大宮のランドマーク的存在「ソニックシティビル」の近くにあります。
「基」はビルの地下一階にあり、少し分かりづらかったです。
店の外にある、この看板が目印です。
いかにも、高級な雰囲気が出ていますね。
口コミにある、「コスパ高い」とは一体何だったのか?と思ったところで、後の祭り。
彼女の前で、店を変える宣言をする勇気はありませんでした。
彼女を引き連れ、地下へつづく階段を下っていきます。
店の脇の生簀では、ヒラメさんがお出迎えしてくれました。
さて、店内の雰囲気は・・・
いいですね。
薄暗いですね。
のれんで仕切られた、掘りごたつもありますねぇ。
しかし、お客さんでいっぱいでした。
ワイワイ、ガヤガヤ。と店中が活気に満ち溢れています。
店の雰囲気に反して、賑やかい印章でした。
入れるかな?と思っていると、店員さんがやって来ました。
「何名様ですか?」
「2人です」
「カウンターへのご案内になりますが、よろしいですか?」
「・・・お願いします」
僕達は、カウンターへと移動しました。
そこで待っていたのが、板前さん。
明るい挨拶と、爽やかな笑顔が素敵でした。
もう、その時点で、好印象ですね。
板前さんに勧められた席につきました。
カウンターは、程よい明るさでした。
隣の席とのスペースが十分にあったので、ゆったりと席につけました。
周りのお客さんに、大きな声で会話をしている人がいなかったことも、良かったです。
彼女も店の雰囲気を気に入ってくれたようで、僕は一安心でした。
■お酒のメニューをみました。
日本酒の種類が多かったです。
今回の目当てが、刺身とおでんだったので、日本酒がいいなと思っていたので、存分に楽しむことができました。
あと、スパークリング日本酒ことに、彼女はとても喜んでいました。
■刺身の盛り合わせ
■おでん
大根がとても大きかったです。
他にも煮物や、唐揚げなどを食べました。
お会計は、二人で1万円ほど。
二人が満足するほど飲み食いして、この値段だったので、大変満足でした。
今回は、運良く入店できましたが、週末などは予約をしていかないと、入店できないかも知れません。
なので、「基」はアポで使うのがいいと思います。
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食事の後、僕は彼女を駅まで送っていった。
「美味しかったねー」
「また来たいねー」
などと、他愛もない会話を続けていた。
店から駅まで、そう遠くない。
あっという間に改札に到着してしまう。
「明日は、お互い仕事頑張ろうね」
そういう彼女。
それはつまり、別れの合図。
そう思った僕は、「うん、頑張ろうね」と、何気なく返した。
「明日、仕事がなくなればいいのになぁ」
「そうだね。そうすれば、もっとゆっくりしていられるのにね」
彼女は、独り言のように呟く。
「・・・あのさ。明日は打ち合わせ場所に、直行なんだ」
「そうなんだ。だったら、明日は気合い入れてかないとだね!」
彼女は、つぶやき続ける。
「今日は早く帰ろうね。寄り道しちゃダメだよ」
そういって、僕は彼女を改札まで連れて行った。
ちゃんと手を引いて、見送った。
改札を抜けた彼女は、一度振り返って手を振った。
僕はそれに手を振り返す。
僕は、彼女が見えなくなるまで、見届け続けた。
そして、彼女は振り返ることはなかった。
おわり
■お店の情報
「おでんと魚菜 基」
営業時間
[月〜金・土]17:00~24:00 LO23:00
[日]17:00~23:00 LO22:00
住所
埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-158-2 スプリングアートビルディング 地下一階