ナンパオトコは猛虎の夢を見るか?

尊大な羞恥心と臆病な自尊心。人喰い虎と成り果てた男の物語。果たして、人に戻れるのでしょうか。

ナンパオトコは納涼船で夢を見るか?

前回のあらすじ

納涼船にやってきた僕達は、次々に浴衣美女に声をかけていた。

次々にバンゲをしていく相棒を横目に、焦りばかり募る僕は、必死に冷めた唐揚げを頬張っていた。

 

そんな時、二人組の浴衣美女と邂逅する。

なんとか相棒と、それぞれを担当することに成功したが、僕の担当子の食いつきは最悪。

マイナスからのスタートに、希望を見出せない僕。

 

なんとか、活路が見いだせないかと、なんとか知恵を振り絞る。

 

椎名林檎に、似てるよね」

この一言が、相手に刺さった。

 

適当に振ったバットがジャストミートしたが、ホームランとなるか、外野フライとなるか…

 

今夜の結果は、ここの踏ん張りで決まる。

ついに、納涼船編は、最終局面を迎えることとなる。

 

 

 

B美「ああいう踊ったりするの、やったことないんですよね。お兄さんは、よくするんですか?」

 

これは、ダンスフロアに連れ出して、A子とセパるチャンスでは!?

 

僕「うん、踊るのは好きだからね!」

 

僕は彼女をダンスフロアへ誘うため、軽く体を動かしながら、楽しい雰囲気を出しました。

 

B美「お兄さんは…」

 

僕「…もぐもぐ」

 

B美「(じーっ)…すごく楽しそうですね」

 

僕「…もぐもぐもぐ」

 

 

この時僕は、大変な過ちを犯していました。

 

なんと、唐揚げを頬張っていたのです。

ダンスフロアに食品を持っていけない事を知っていて、早く食べてしまおうと思ったからです。

女の子を連れ出すことよりも、食べ物を粗末にしない事の方に比重を置いてしまいました。

こんな時は、捨ててしまえと、お叱りを受けてしまいそうですが、僕は食べ物を取ってしまったのです。

 

 

僕「ごめん、今唐揚げ食べてるから、ちょっと待って」

 

B美「…うん」

 

A子「B美、あっち行こ」

 

そうこうしてると、横からA子が現れ、颯爽とB美の手を引いていってしまいました。

 

B美「あ…う、うん」

 

僕「もぐもぐ」

 

 

 

試合終了。

 

 

B美と別れたあと、何も成果は無し。

今回の乗船での成果は、唐揚げと交換したたこ焼きのみ、という結果となってしまいました。

 

まあ、楽しかったのでよし。

 

 

納涼船で、結果は出せませんでしたが、夢を見ることが出来ました。

 

僕には、現実の方があっているのかもしれません。

 

でも、次になった時には、素敵な出会いが有るのかも。

 

そんな夢を見させてくれる場所が、納涼船なのかもしれません。

 

船から降りたあとの話で、別のエントリーで語っております。

 

おわり