ナンパオトコは猛虎の夢を見るか?

尊大な羞恥心と臆病な自尊心。人喰い虎と成り果てた男の物語。果たして、人に戻れるのでしょうか。

【記憶力日本一に学ぶ記憶術】読書感想文【脳にまかせる勉強法】

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学んだことを忘れない。そんな記憶力があればどんなに素晴らしいだろう。

勉強や仕事、資格に語学。ありとあらゆる場面で記憶力というものが必要とされている。

スマートフォンが普及し、覚えることが必要なくなってきたかと思われるような現代においても、記憶力というものは誰もが欲するところ。

記憶することで、知識と融合し新たな価値を生み出すことができるからだ。

 

しかしながら誰もが欲する記憶力は、なかなか得られることができない。

むしろ、歳をとることにより段々と失っていくものであるという認識が強い。

なぜなら記憶力と脳の能力は密接に関係しており、脳は加齢と共に衰退していくと思われているからである。

 

僕もそう考えていた。

 

しかし、本書「脳にまかせる勉強法」はその考えを否定し、今からでも頑張ろうという希望を与えてくれる。

 

著者の池田義博さんは、40代になりようやく自分の能力を引き出す方法を見つけます。

そして、40代半ばになり記憶力の日本一を決める大会に参加し、優勝。

その勢いは止まらず、世界にも挑戦していきます。

 

池田さんは「脳はいつからでも鍛えることができる」ということを信じ続け、それを実現することができたのでした。

 

 

脳はいつからでも鍛えることができる

記憶力を上げるためには、脳を鍛えることが必要になります。

脳は一度衰えると鍛え直すことは困難だと思いがちですが、神経回路を増やし、脳の能力をアップさせることは可能なのです。

 

池田さんは、著書で脳の特性を活かす方法を述べています。

脳の特性を活かすことで、脳にまかせる勉強を行うことができると。

 

 

脳にまかせる勉強法

まず基本としてあげることがあります。

 

・集中する

・楽しむ

・繰り返す

 

この三点は、記憶力を上げるための基本となります。

 

・脳はヤキモチ焼き

・脳は寂しがりや

・脳は感情屋

 

という性格をしているからです。

 

それらをふまえ、本書では以下の手法を紹介しています。

 

・共通点を探す

・規則性を探す

・落書きを活用する

・思い出す力が大切

・スピード重視の勉強(3サイクル勉強法)

・アウトプットの活用

 

などなど

 

正直なところ、読んでて目から鱗が落ちるような発見がありませんでした。

それってつまり記憶に近道はないということなんですよね。

 

ダイエットや筋力アップに近道がないように、記憶にも近道はない。

地道な積み重ねが必要ということ。

しかし正しい努力の方法はある。

 

効率的な学習の方法論を知ることができたかなと思います。

 

はやく暗記パン発明してくれないかな・・・

 

 

 

おわり

どんぎつねは吉岡里帆であって吉岡里帆ではなかった件


日清のどん兵衛CM 「月見ポケット 篇」 30秒 / 星野源・吉岡里帆

 

 

ずるずるずる〜〜〜〜〜〜〜〜!

 

ごくごく。ぷはぁ〜〜〜〜!

 

・・・・・・

 

あああああああああああああ!!!!

 

いつになっても出て来ねえじゃねえかああああ!

 

 

くそー!

 

赤いきつね緑のたぬき派から寝返りを図ったというのに、これじゃあ騙されただけじゃねえか!

 

たかだか百数十円のカップ麺を食べたくらいで出てくるはずない、そう分かってはいたんだがなあ。

頭では分かってたんだよ。

 

画面越しにもこれだけ惑わされるとか、こいつはただの狐じゃねえ。

 

妖狐ですよ、妖狐。

蔵馬という親戚がいるんですよ。

 

今度会ったら聞いときますから。

 

 

いやー、何度見ても可愛い。

 

どんぎつねさん。

 

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一体どこに行ってしまったんだろうか。

僕のどんぎつねさん。

 

 

どん兵衛を作るだけなのに、あなたは私を見つめてる〜♡」

 

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あなた???

あなたってだあれ???

 

その笑顔何かを期待した顔の向こう側には誰がいるの???

 

もしかして僕????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はい、解散!!!

ガッキーを毒牙にかけただけでは満足いかんかったのか!

 

このやろ!

 

 

「どんぎつねさん」

 

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こら、どんぎつねさんの名前を呼んでんじゃねえ!

しかも近いんだよ!

 

もっとはなれろ、しっし!

 

 

「はい///」

 

おいおい、何ドキドキしちゃってるんですか。

顔を近づけられてドギマギして、目まで瞑っちゃって。

 

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これはあれですか、キスしちゃうんですか???

 

しっぽまでピョコピョコさせちゃって、何期待してるんだよぉ・・・

 

 

「似ています」

 

は?

 

「え?」

 

そうだろ、そのリアクションが正しい。

 

で?なにと似てるっていうんだ???

言ってみろ??

 

「えくぼが月見ポケットに」

「どんぎつねさんのえくぼが月見ポケットに似ています」

 

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はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜??????

 

おめぇ…どんぎつねさんをあそこまでドキドキさせといてなんだそりゃぁ。

 

超絶美女どんぎつねさんに対して、「えくぼが月見ポケット似ています」だと!?

何かと比べるだけでも失礼にあたるレベルですよこれは。

 

そしてこの満足そうな顔である。

 

 

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つうか、どんぎつねさんを前にして、冷静でいるんじゃないよ。

そこはドギマギ、キョロキョロするもんだろ地味メガネは。

 

地味メガネで鈍感が許されるのは、エロゲとラノベの主人公だけだって相場が決まってるんだよ。

 

 

分かったらとっととそこ代われ!

 

 

ん?

 

どんぎつねさん、星野を見てジト目してるんですか???

 

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ああ、これはあれですね。

 

 

思い通りにいかなくてムスッとしちゃうやつですね。

 

 

オーケーオーケー。

ここは君に勝ちを譲ろう、ミスター星野。

 

 

次回会うときはどんぎつねさんは僕がもらっていくよ。

(完全にモブのセリフです、どうもありがとうございました)

 

 

僕も異世界転生してえ泣

 

 

 

おわり

プロシュート兄貴に学ぶ人生論

今の仕事を辞めたい、転職をしたいと言っているの人のほとんどは実際に転職していないんではないか。なんだかんだ理由をつけて現状維持する事を望んでいるんじゃないかと思います。

 

それは僕なのですが。

 

最近ジョジョの奇妙な冒険の第五部を見ました。

プロシュートという大変人気のあるキャラクターがいるのですが、彼にはこんな事を言っています。

 

ぶっ殺す。そんな言葉は使う必要がねーんだ。

なぜなら俺や俺たちの仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべたときには!

実際に相手を殺っちまってもうすでに終わっているからだっ!

だから使ったことがねぇー!

 

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ふんふん。

つまり「転職する」という言葉を思い浮かべた時には、既に転職活動は終わっているということ!

 

「もう仕事辞めたい」

「早く転職してぇなぁ…いい転職先ねえかなぁ」

 

なんて居酒屋で愚痴ってる場合じゃねえ。

 

 

という事で、「転職する」という言葉を思い浮かべたなら転職サイトに登録しましょう。

 

言っただろうがよぉ!とことんやるってな!

という名言もあります。

 

とことんやっていきましょう。

 

 

おわり

口内炎ができるとツライぞ

先日、自分史上最強に痛い口内炎ができた。

元々口内炎の出来やすい体質で、また出来たのか…その程度にしか思ったいなかった。

 

最初はそんなに気にならなかった口内炎

暫くして、だんだんと猛威を振るうようになる…

 

今回の口内炎の発生場所は、「舌」。

普段無意識にだけれど、舌って結構喋る時にも食事の時にも動かしていることを、今回の口内炎ができることで思い知らされることになった。

 

喋る時も痛い、食事の時も痛い、眠る時も痛い。

 

とにかく激痛との戦いを必要とされる日々を送ることになってしまった。

 

幸い、対策をとることで悪魔のような口内炎を鎮めることができたわけだけど、もう口内炎は勘弁だということで、調べてみることにした。

 

せっかく美味しい料理があるのに、食事を楽しむことが出来ないなんて、勿体無いことこのうえない。

 

 

口内炎ができる原因

そもそも、なぜ口内炎が出来るのか。

まず、発生原因を調べ、根本的な問題解決をする。

 

口内炎の出来る原因として、以下のことが挙げられる。

 

1.ストレス

2.疲れ

3.免疫力の低下

4.栄養不足

5.口内の傷

 

なるほど。

口内炎を予防するの、なかなか難しいぞ…

ストレスはメチャクチャ溜まるし、疲れをとってる暇ないし。

こうなったら栄養不足栄養不足だけでも、何とかして対処せねば…!

 

 

口内炎の直し方

原因が分かったところで、どのような対策が良いのか調べてみた。

 

1.1週間ほどで自然治癒する

2.栄養価の高いものを食べる

3.口の中を清潔にする

 

 

そもそも口内炎って、1週間もすれば治るものなんだとか。

たしかにそれくらいで治ると思うけど、今回はずーっと治らなかった。

だいたい3週間くらいか。

 

 

■予防方法

そもそも、口内炎を発生させなきゃいいじゃないか。

ということで予防方法を調べてみた。

1.ビタミン摂取

2.しっかりと休養をとる

 

ビタミンは、B1.B2.Eの不足で発生する。

特にB2の不足が影響するらしい。

B2には成長を促進し、体の粘膜や皮膚を保護する役割があるそうだ。

 

 

■ビタミンBを多く含む食品

納豆、レバー、干し椎茸、鶏卵、のり、うなぎ、インスタントラーメン

 

意外にも、インスタントラーメンにビタミンB2が多く含まれているそう。

 

納豆と卵に多く含まれるとか、卵納豆ご飯って、美味しくて口内炎予防になるんじゃないか?

タンパク質も多く取れるので、とても理にかなった食事だ。

 

 

■まとめ

とりあえず、卵納豆ご飯を食べれば良いんじゃねえかという、そんな結論にいたりました。

そもそも、ノーストレスで休みがノンビリ取れれば良いんじゃねえかという、身もふたもない知見を得ました。

 

 

 

おわり

 

 

聲の形を鑑賞し、感じた気持ち悪さを話したい

8月25日に地上波にて映画「聲の形」が放送された。

 

natalie.mu

 

以前から話題に上がることが多かったこの作品。マンガも結局読んでいなかったので、当日の用事をすべて済ませのんびりと鑑賞しました。

とにかくいい話で、不覚にも泣いてしまった。

主人公の石田君にガッツリ感情移入してしまったからだ。

 

 

ここでザックリと物語の流れを紹介しておく。

 

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主人公の石田将也(右)はヒロインの西宮硝子(左)に対し、罪悪感を持っている。

小学校時代、硝子に対しヒドイいじめを行っていたからだ。

そして、それが原因で自身もいじめの標的となる。

 

時は流れ高校生になり、石田は硝子と再開し、恋をする。

 

という話。

 

 

恋愛ストーリーなので、石田と硝子の恋愛が描かれる。

当然すんなりと恋が成就するわけでもないし、三角関係のようなドラマもある。

愛憎劇とか、すったもんだがあるわけではないのだが。

 

まだ鑑賞していない人は、9月2日に再度放送されるのでぜひ見てほしい。

 

mainichi.jp

 

 

で、ここからが今回の本題。

あまり本作に関係の無い話なので、ネタバレには(たぶん)ならない。

 

聲の形を観て感じた、気持ち悪さについてだ。

 

 

聲の形という作品には、恋愛マンガにおける鉄板である、「親友」キャラクターが登場する。

それが、このキャラクター。

 

永束友宏である。

 

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彼、すごくいいやつである。

主人公の石田が苦しんでいるとき、悲しんでいるとき本当の意味で「側に寄り添うことのできる」親友なのだ。

石田に何かがあったとき、涙を流して心配するような男なのだ。

 

僕自身、永束君のことは大好きだ。

めちゃくちゃナイスガイで、愛嬌もある。

こんなやつが友達だったら、なんていいことだろう。

そう思う。

 

 

しかし。

彼が、硝子と付き合う流れになることを想像したら、何とも言えない気持ち悪さがこみ上げてきた。

いや、これはキャラクターであり、僕の触れることが出来ない次元にあることなので、何を言っているんだという感じなのだが。

 

とにかくこう、気持ち悪さがこみ上げてきたのだ。

 

永束君と硝子が付き合う?

手をつないでいる。

キスまで!?

あんなことまでーーーー!?!?

 

と発狂しそうになる。

 

いや、永束君はいいやつだし、親友だ。

親友の幸せは願わねばならぬ。

 

だから、永束君と硝子が良いならば良いことなのだ。

そう思うべきなのに、そう思うことが出来ない。

 

主人公に比べ、永束君はお世辞にもカッコいいビジュアルをしているとは言えない。

よく言って可愛い。

正直言うとブサイク。

 

だから僕の心が感情移入を許さないのか・・・

ストーリー的に、感情移入できないだけなのか。

僕のちっぽけなプライドが、作品の別な見方を邪魔している。

まだ僕の中にもあるような気がしている。

 

 

そういうストーリーというわけでもないのに、勝手に想像して気持ち悪くなってた。

 

まあ、こういうのは僕の恋愛マンガあるあるで。

 

 

僕には心にやさしい平和なストーリーをください。

 

NTRとか、胸糞展開は勘弁してほしい。

でも、不思議なものでとても興奮することもあって。

 

人間とは不思議な生き物であるなと思った所存です(まる

 

 

 

今回のエントリーは、感想ではない。

僕の中に潜む、感情のあぶり出しでした。

 

作品はとてもいいものなので、視聴しましょう。

 

 

 

おわり

ロシア女子とキスをした③

夢と現実の境界はあいまいだ。

夢だと思い大きな憧れを持っていたことでも、一度経験してしまえばそれはなんてことない現実となる。

こんなものかと、ガッカリしてしまう。

 

こんなことなら経験しなければよかった。

夢は夢のままでいられれば、どんなに良かっただろうか。

 

しかしすべての夢が夢である必要はない。

経験してよかった。

次のステップに進もうと思える。

 

そんな経験もある。

 

 

 

店を出て、彼女の手を引いた。

とても暖かい。

 

柔らかくて、小さい。

握手のようにつないでいたが、指をからめあう形に組み変わる。

次第に彼女の手の平が、汗ばんでくるのが分かった。

 

「外に出ようか」

 

その問いかけに対し、彼女は「はい」と返した。

 

僕たちのいるビルは、とても巨大で、美しい外観をしている。

都心にある美しい景色の一部を担っているビルは、外観と同じく、施設自体も美しい。

そして、そこから見渡せる景色も美しかった。

 

僕は彼女にその風景を見せたかった。

 

ビルの出口を出ると、ぼんやりと街並みが分かる暗さのテラスに出る。

 

今日あったことを話しながら、テラスを歩いた。

 

「今日は一緒にいてくれてありがとう」

「ううん、私も楽しかったです」

「いっぱい歩いて疲れなかった?」

「そんなことありません。いろいろ見せてくれて、とても嬉しかったです」

 

彼女の手を握る力が、少し強くなる。

僕も握り返した。

 

「今日は最後に、この景色を君に見せたかったんだ」

 

ビルのテラスから見る景色。

彼女は「とても綺麗」と答えてくれた。

 

 

ギュッと強く手を握られる感覚がした。

彼女を見ると、目が合ってしまう。

 

一瞬「ドクン」と胸の高鳴りを感じた。

 

 

 

「キスしよう」

僕は彼女の返事も待たないまま、手を引きこちらに引いた。

彼女は抵抗もなく、こちらに引き寄せられる。

 

 

唇を触れ合わせた。

一瞬のキスのあと、お互いの顔が見れるギリギリの位置まで離れる。

彼女の顔を見ると、上目使いにこちらを見ていた。

 

腰に手を回す。

 

今度は彼女の方からキスをしてきた。

舌をいれ、複雑に絡めてくる。

 

予想をしていなかった反応に、動揺してしまった。

 

軽く触れる程度のキスを想像していたからだ。

 

息が苦しくなるくらい長いキス。

彼女の吐息がとても荒くなる。

 

 

「君とのキスは、とても気持ちいい」

 

「ありがとう。でも、初めての経験で、上手くできなくて。ごめんなさい」

 

 

彼女の発言に、再び動揺する。

 

「僕が初めてで嬉しい。ありがとう」

 

「いえ。私もたいがさんが初めてで、嬉しいです」

 

恥ずかしそうに、うつむく彼女に、僕もつられて照れてしまった。

 

 

「ありがとう。そろそろ、時間も遅いし。帰ろうか」

 

そう言い、僕は彼女を見た。

 

「いやです・・・まだ帰りたくありません」

 

初めて反論する彼女。

 

「まだ、たいがさんと居たいです」

 

「ううん。今日は帰ろう」

 

「そうですか・・・」

 

 

うつむき加減の彼女は、とても可愛くて、つい抱きしめてしまった。

 

「たいがさん」

 

「今日はありがとう。君に会えてよかった。また会いに行くよ」

 

「はい」

 

 

そして、僕は駅まで彼女を送って行った。

指をからめる、恋人つなぎで。

 

 

 

夢に見ていた光景は、現実になるとともに憧れでなくなる。

 

夢が現実になることは、とても喜ばしいことだけど、少しさみしく感じる。

夢をかなえるための情熱が、失われてしまうから。

 

僕は彼女と知り合って、一つの夢を実現することが出来た。

実現すると、憧れというものが無くなった。

 

でも、彼女と一緒にいた経験はずっと残る。

 

 

「たいがさん!」

 

そういって抱きついてくる彼女。

 

「好きです」

 

耳元でささやかれ、頬にキスをされる。

 

「また、会いましょうね」

 

そう言い、改札に向かっていった。

 

 

とてもいい思い出として、残っていく。

 

 

 

おわり

 

ロシア女子とキスをした②

海外の女性とデートをする。

僕はずっと憧れていた。

でも、憧れているだけ。

何か行動をするわけではなかった。

見た目を磨く、語学を学ぶ。

 

やれることはたくさんあったのに、画面の向こうにいる彼女たちに想いを馳せるだけだった。

 

 

しかし、今。

その憧れの女性がそこにいた。

 

美しく長い髪。

大きく、美しい目。

しなやかに伸びる手足。

 

そして、特筆すべきは、透き通るような緑色の瞳。

吸い込まれてしまいそうな、その大きな瞳に、僕は目をそらす事が出来なかった。

 

 

「たいがさん?お待たせしました」

 

そう、彼女が言う。

 

「はじめまして。僕もさっき来たばかりですよ」

 

そう僕は返した。

そう、いつも通りに。

 

「写真で見たよりずっと可愛くて…すぐに分かりませんでした」

 

と、いつものフレーズも忘れずに。

 

「え…そんな事ないですよ!普通です」

 

そう、笑顔で返してくれる彼女の顔は、とても美しかった。

まるで、映画から飛び出して来たかのようだった。

 

でも、すでにこの時、僕の中に緊張感はなかった。

いつも通りに。

いつも通りに。

やっていれば大丈夫。

 

 

 

早速、僕たちは移動した。

前日までに考えたコースをたどるように移動する。

 

都内なだけに、とても人が多い。

人混みの多い場所を通るのが苦手だという彼女に配慮し、なるべく人通りが少ない道を通った。

彼女はとても近くを歩いている。

腕が当たりそうなくらい、とても近くを歩く彼女。

時々腕がが触れてしまう。

 

距離感をとるのが苦手なのだろうか。

僕は彼女を横目に、少し距離を開けるようにし、歩くようにした。

 

しばらくして、目的の場所に到着する。

彼女がとても興味を持っているマンガショップに来た。

 

「わー!すごくたくさんの本がありますね!」

 

そう彼女は眼を輝かせた。

 

「ここにある本は、実はほとんどがマンガなんだよ。他のフロアに行けば、いろんなジャンルのマンガがあるから、見に行こうよ」

 

僕は彼女を先導し、階段へ向かった。

 

「どうぞ」

 

と、彼女を先に階段へ進ませる。

 

「え・・・ありがとう」

 

彼女は少し驚き、笑顔で返してくれた。

 

 

他のフロアでも、たくさんのマンガを見て回り、お互いのことを話した。

 

どんなマンガが好き?

最近どんな漫画を読んだ?

ロシアでは、どんなマンガが流行っているのか?

 

そんな話をしながら、結局すべてのフロアを回りきった。

 

「そろそろ出ようか」

 

「はい。ここに連れてきてくれてありがとう!とても楽しかったです」

 

彼女の笑顔で言ってくれた。

 

彼女の笑顔はとても美しく、連れてきてよかったと思ってしまった。

 

 

「この後、どこか行きたいところはある?」

 

「いいえ・・・たいがさんの行きたいところへ行きましょう」

 

「そうだな・・・そろそろ夕食の時間だし、ご飯でも食べに行こうか」

 

「はい!いいですね!」

 

「近くに、美味しい居酒屋があるんだ、こっちだよ」

 

と、僕は彼女の手をとり、店への道を進む。

 

 

この時、初めて彼女の手を握った。

彼女は握り返してくる。

 

彼女の手は、小さくて、柔らかい。

僕は少し恥ずかしくて、彼女の顔を見ることが出来なかった。

 

でも、意識をしないように、今日の出来事について話しながら歩いた。

 

「ここだよ」

 

店前につき、のれんをくぐる。

 

「2人です」と迎えてくれた店員に人数を告げる。

 

「わー。素敵なお店ですね!」

と喜ぶ彼女。

 

「せっかくだから、日本っぽい店に連れて来たかったんだ」

「ありがとう。とても嬉しいです」

「良かった。これがメニューだよ。何か飲みたいものはある?」

「うーん。どうしましょう…たいがさんは?」

「僕はビールを飲もうかな。同じのでいいかな?」

「はい!」

「食べ物は?何かリクエストはある?ここは鶏肉が美味しい店なんだよ。焼き鳥って言って、とても美味しいんだ」

「うーんと…たいがさんにお任せします!今日はたいがさんにお任せしたいです」

 

僕は「分かった」といい、店員にオーダーを伝えた。

 

「うーん。とても美味しいですね!初めて食べました!」

「それは良かった」

「たいがさんは、この店に良く来るのですか?」

「ううん。今日初めてきた。君を連れてきたくて」

「そうですか。ありがとうございます!嬉しいです」

 

彼女はとても美しい笑顔をこちらに向けた。

 

「そろそろお腹いっぱいかな?」

「はい。もうお腹いっぱいです」

「わかった。それじゃ、そろそろ出ようか」

「はい」

 

僕たちは会計を済ませ、店を出た。

 

「まだ終電まで時間がある?」

「はい。まだ大丈夫です!」

「それじゃ、散歩でもしようか。夜景が綺麗な場所があるんだ」

「はい!行きましょう」

 

僕は彼女の手を取り、歩き出した。

今回は、自然に、当たり前のように。

それは、彼女も同じ。

 

自然にお互いの指が絡み合うように。

認め合うように手を繋いで。

 

 

つづく