やはり冴カノは面白かった
冴カノにはオタクの夢のシチュエーションが詰まっている。
僕が思春期真っ只中だったなら、なぜ二次元世界に入る事が出来ないのか激しく後悔した事だろう。
今だから冷静に見ていられるが、当時の事を考えると現実世界に帰ってくる事ができるはずがなかった。
それだけ夢が詰まっているのである。
一つは、可愛い幼馴染がいる。
しかもハーフの超お嬢様。そしてオタク趣味を共有する事ができる。
そもそも女性との接点がある時点で、夢のシチュエーションなのだ。
二つ目は、美人の先輩と話せる関係にある。
黒髪ロングの清楚系。巨乳。そしてオタク趣味を分かってくれる。
そもそも女性との接点がある時点で、現実的ではないのだ。
三つ目は、可愛い同級生が家に来る関係にある。
地味で目立たないけど可愛い。そしてオタク趣味に付き合ってくれる。
そもそも女性との接点がある時点で、奇跡なのである。
そう思っている時期が僕にもありました。
ラノベの主人公は不自然なまでに美少女たちとの関係を持つ事ができる。それは事実だ。物語の創造主である作者がそうしているんだから当然だ。
しかし物語とはいえ、キャラクターたちは思考し、葛藤し、どのような判断を下ろしていると思いたい。
主人公は彼女たちを揺さぶる。心の底から。
心を揺さぶられた彼女たちは、主人公に恋をする。
主人公の周りにはいろんな女の子がいるのをよく知っているから、本当に好きになって良いのか、好きになったなら、どうすれば独り占めする事ができるのか。
激しく攻めるか、したたかに攻めるのか。
自分の立ち位置ならば、主人公に好きになってもらえる事ができるのか。
ラブコメならば、ハーレムエンドは許されない。
みんな仲良くやって行こう、そのような幕引きをする訳にはいかない。
主人公は決断する。
誰を選ぶか。
好きになってもらうよりも難しい、大切な選択。
世の中には一つの摂理があって。
なぜか幼馴染と、お色気要員は選ばれない。
ぽっと出の女の子が持っていってしまうのだ。
冴カノのヒロインはすでに決まっている。
第一話の冒頭で勝利が約束されている。
物語の行く末を見守っていきたい。
おわり