【赤いたぬき】勝者の食べ物を食べた
敗者は勝者に従わなければならない。
それは勝負の世界における絶対的な理である。
世紀の戦いの末生まれたもの
赤いたぬきを食べただろうか?
「赤いきつね軍」と「緑のたぬき軍」が己の名誉をかけて戦った「第一次東洋水産戦争」の果てに生まれたものである。
赤いきつねではなく、たぬき。
うどんの上にかき揚げが載っているハイブリッドである。
むしろ、赤にタヌキが取り込まれた形だろうか。
「やはりそうなったか」
僕はそう思った。
この戦いの本質は、うどんが美味いか、そばが美味いか。
そこにあることは明確であった。
カップうどんとカップそばを食べ比べれば、うどんに軍配が上がるのは明らか。
しかし、僕の予想に反した結果となった。
投票の結果は、赤いきつね軍がわずかに優勢にて勝利となったのだ。
相手の良いところを取り込む
わずかとはいえ、戦いに勝利した赤いきつね軍。
「たぬき」を取り込むことで究極のカップうどんへと進化を遂げるのである。
うどん&かき揚げ&お揚げ。
なんと、赤い「たぬき」にも関わらず、お揚げが入っているのである。
これは完璧な布陣。死角など無いのだ。
歴史的に見ても、戦った相手の良いところを取り込み更なる躍進を遂げる例は多い。
超有名な武将、織田信長もその一人。
父親である織田信秀が亡くなった際、弟の信勝と家督争いをすることになり、信長は勝利する。
その際、柴田勝家を軍門に下している。
そしてこの柴田勝家は、軍事において大きな功績を挙げ、信長の躍進に大きく貢献することになるのだ。
これは一例としてあげたわけだが、勝者が敗者を従えるということは往々にしてありえるわけである。
戦で下した者を配下に加えることは、同業他社の優秀な社員をヘッドハンティングすることとよく似ている。
織田信長に関しては、良いものを取り入れるという性格であったために敵将を配下に加えるなんて事が出来たんだと思うわけだが。
「私は主人にしか仕えはせん」という主従の関係をとても大切にした武将もいただろうし、寝首をかかれないかとヒヤヒヤすると思うんだけど。
実際、外様大名には結構やられてて、「本能寺の変」の首謀者とされる明智光秀は、外様大名だ。
元々明智光秀は浪人だったので、少し今回の話の趣旨とは違ってしまうのだが。
第一次東洋水産戦争のおわり
スーパー、薬局、コンビニとどこに言っても見かける、赤いたぬき。
第一次東洋水産戦争がおわり、生み出されたハイブリッド。
おわりは、新たな始まりを意味する。今度は赤いたぬきは更に外を見ていかなければならないのだ。
そう、敵は海外。「マルちゃん国」
マルちゃん国要する「どん兵衛」との戦いが待っているのである。
現在赤いたぬきがどれだけ力を持っているのかを測り知ることはできない。
どん兵衛軍戦闘により、どのような結果を残す事ができるのか。
これは、おわりの始まりなのである。
おわり