ナンパオトコは猛虎の夢を見るか?

尊大な羞恥心と臆病な自尊心。人喰い虎と成り果てた男の物語。果たして、人に戻れるのでしょうか。

【娼年】という生き方は江戸時代からあったのだ

少年という映画が流行ってますね。
主演は松坂桃李さん。
 
これはガチのイケメンですわ。
男の僕でも、ビンビンになってしますね。
 
ちなみに、僕はまだ鑑賞をしておりません。
 
過去に原作を読んでおりました。
 
僕が読んだのは、中学生の時。
図書館にて何か本を借りようと思い、有名な石田衣良さんの作品という理由だけで手に取りました。
 
今思えば、娼年というタイトルに、何か惹かれるものがあったのかもしれません。
 
内容は、普通に面白かったですね。
文学作品としては、少し性描写が強く感じるくらいで。
当時の僕には、十分な刺激でした。
 
また、こんな世界があるんだなと、異世界転生モノを見ている気分にもなりましたが。
 
ストーリーも、20歳の少年が、ボーイズクラブに所属。
いろんな女性とセックスし、楽しませる。
 
と、この時点で異世界感が半端なかったです。
にもかかわらず、40歳のオーナーに恋をしたり、おばあちゃんをビクンビクンとイかせたりと。
まあ、驚きの連続でしたわ。
 
今となっては、複数の女性と関係を持とうが、何歳の人と恋に落ちようがあまり驚きを感じなくなりましたが。
 
 
ちなみに、ここからはウンチクです。
 
江戸時代、陰間茶屋というものがありました。
陰間というのは、男娼のこと。
 
線香をたてて、尽きるまでのおよそ60分くらい買い手の相手をします。
相手をするとは、つまりそういうこと。
 
 
主な客は僧侶でした。
ただ、女性客をあいてにすることも多く、大半が大奥の女性だったそうな。
 
大奥の女性たちは、男性経験がないのがほとんど。
たまに城外に出かける用事があると、チャンスとばかりに陰間茶屋に行ったんすね。
 
なぜ、そこまで流行ったのか。
 
それは、陰間茶屋の良い点として、後腐れがなかったこと。
そして、女性を大いに満足させられるサービスを提供していたから。
 
つまり、サクッと、良質なサービスを受けられたからです。
 
 
もともと、陰間とは、子供の頃からの役者の候補生でした。
なので、元々の外見が美しかった。
 
そんな男たちが、さらに美しくなるために、様々な努力をしました。
 
・身体を美しく保つために、ザクロの皮の石鹸で顔や身体を磨く。
・鼻を高くするために、毎晩板で鼻を挟んで寝る。
・体臭に気を使い、魚、貝、鳥、芋を食べない。
・歩き方を正す
 
などなど
 
当然、楽しませる芸や夜の技法を仕込まれたんですね。
 
美しく、セックスも楽しませられる。
これは、まさに最強ですわ。
 
 
娼年の主人公や、陰間茶屋で働いていた方々。
多くの女性を楽しませるプロ。
もともと美しいのに、努力により、美しさへ磨きをかける。
 
やっぱり、プロってすごいなって思いました。
 
ダイヤモンドの原石を、ピカピカになるまで磨きをかけ続けられるんですから。
 
 
それに比べて、僕はただの石ころ。
でも、磨けばピカピカにはなれる。
 
こんな石ころを拾ってくれた、天使を喜ばせたいのだ。
 
娼年は、多くの女性を喜ばせました。
多くの女性を楽しませるため、プロとして務めました。
 
 
僕には多くの女性を楽しませることはできません。
 
でも、僕は天使を楽しませるプロでありたい。
美意識を高く持ち、楽しませる技法をもつ。
 
多くのことを極めることができなくても、一つくらいなら極められるでしょ。
 
 
おわり